我が子が社会人として巣立つ頃

「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」という本を読みました。2025年というと遠い未来のように思われますが、我が子が社会人として巣立つ頃だと考えると急に現実的なもの感じられます。何年も続く日本経済の停滞とデフレの中で若者の雇用は減少しており、その賃金も低く抑えられています。現在就職活動を行っている世代もたいへんですが、我が子を含めた次の世代が大人になる頃に、我が子を取り巻く労働環境がどのようなものになっているのか、大変に心配です。

これから加速度的にグローバル化してフラット化する社会では、多くの労働はコモディティ化します(カタカナばかりですね)。換言すれば、地球規模に拡大する経済活動の中では、賃金は低い方へと習い、代替可能な労働力(人)は日常品を消費するように使い棄てられてしまいます。

我が子はこのような過酷な経済環境の中で生きて行かなければなりません。そして、我が子は、このような環境の中で自分らしい希望を描ける仕事に就かなければなりません。このためには、広く正確な知識と、多くの体験と、情報リテラシと、自己実現するための苦労を厭わない力(地道な努力)と、友人が必要になるのでしょう。中学校の日々の生活(宿題、授業、部活、友達)は、これらの基礎になるものだと思います。中学で勉強する意義も仕事に繋がるものです。

「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」という本は多くの取材に基づいて真摯に書かれているという印象です。内容が具体的であり、絵空事ではないと思わせる説得力がありました。10年後の労働を考える契機になりました。良い本でした。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

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若者の労働力のコモディティ化を危惧する本としては「僕は君たちに武器を配りたい」も読みました。こちらの本では、就職活動を目前とする学生さんに向けてコモディティ化しないようにアジテートしています。

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