「毎日のことなのに支度や片づけができない」という個性

学童期の我が子は、まさに「毎日のことなのに支度がきない」子供でした。小学校の高学年になっても、朝の支度がスムーズにいかないことが多々ありました。このため、朝食をとる居間には、「「おはよう」のあいさつ > 着替え > 朝ごはん > 歯磨き >持ち物確認 > ハンカチ、ティッシュの確認」などと紙に書いて貼っておき、毎朝、我が子に確認させて、この順番に行動させていました。とにかく、毎日、決まったルーチンで行動することができないのです。

ここで、「持ち物確認」というのは、ランドセルを開けて、当日の授業に必要なものを全て確認する作業です。私達は、「前の日の夜のうちに、翌日に必要なものをランドセルに入れて準備してくださいね」と毎日我が子に言っていたのですが、我が子はなかなか実行しませんでした。また、前日に準備を行っても、結局、何か忘れ物をしているのです。このため、登校前に親と一緒に持ち物を確認することにしていたのです。この「持ち物確認」をしなければ、我が子はどれだけ忘れ物をしていたことでしょう。

「片付け」ができないというのも、本当にそうでした。子供部屋には、我が子の脱いだ服が床に脱ぎっぱなし。読んだ本も読みっぱなしで床に散乱していました。私達が「片付けなさい!」と言っても、我が子はなすすべがなく、親が一緒になって子供部屋を片付けるのが常でした。また、勉強机の上も、雑誌や不必要なメモ帳などが置いてあり、どこで勉強するのか?という状態で散らかっていました。そして、驚いたことに、勉強する際には、雑誌やメモ帳の上にドリルやノートを広げても平気なのです。
「片付け」ができないと、必要な時に必要な物が見つからなくて、探しているだけで、時間を無駄にしてしまいます。また、自分が何を所有しているのか把握できなくなってしまい、物をよく無くします。(無くした事に気が付かないこともあります)。私達(親)も几帳面であるとは言えないのですが、それにしても、我が子の勉強部屋の状態にはいつも困惑していました。


私達は、本当に不思議だったのです。なぜ、前の日に、翌日の準備(支度)ができないのか。また、なせ、準備したとしても、中途半端なものとなってしまうのか。そして、何度言っても自分の部屋を整理整頓することができないことが。

しかし、我が子が「毎日のことなのに支度や片づけができない」という個性を持っているのであれば、それが納得できてしまいます。そして、そのような個性を持っていることにもっと早くに気が付くことができていれば、「支度」や「片付け」ができなかったときに、我が子にもっと「優しい気持」ちで接することができたのに・・と、思いました。