「パニックのように泣き叫ぶ」という行動の理由

私達(親)が宿題を見直すようになった最初の頃に泣き叫んだように、我が子には、「ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニックになる」、「 一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない」といった個性があるような気がします。

例えば、一日中遊んでいて宿題をしていなかった事を指摘されると、「もう、一生誰とも遊ばない!」と繰り返しながら泣き叫ぶのでした。そして、30分以上も、或いは、一時間以上も泣き続けているのでした。泣いている間にやっていなかった宿題をすればよいところを、ただただ泣き続けるのです。そして、泣き終わると、今まで注意されていたことを忘れたかのように、宿題をやるわけでもなく、ケロリとしているのです。
また、家で踊り(ダンス)などの練習をしている時に、私達(親)が振り付けなどのおかしい点を指摘した時などは、もう、火がついたように泣いていました。自分では上手く出来ているような気持ちになっており、私達(親)の指摘した事を直そうともせずに、ただただ、癇癪を起こしていました(今、思えば、何を指摘されているのかが理解できずに、直すことができない事に癇癪を起こしていたのかもしれませんが・・)。
また、ノートの字や計算の間違いを指摘すると、「全部やり直す!」といって、間違ったところだけではなく、間違った箇所のあるページの全てを消しゴムで消して、そのページをクシャクシャにしてしまうのです。そして、お決まりのように、30分以上は泣いているのです。

このような事は、小学生の高学年の頃に、数ヶ月に1回はあったと思います。泣き叫ぶ時の声は本当に凄まじくて、遠くまで響きわたる声でした。また、指摘した事を直そうとするそぶりもなく、ただただ意味もなく長時間泣いているので、私達(親)にもイライラが募りました。このため、私達(親)は、クドクドと指摘を重ねることも繰り返してしまいました。指摘を重ねるたびに、我が子は、また号泣し、その声がご近所に響き渡るのでした。ご近所様は、私達(親)が我が子を虐待しているのではとの疑いを持ったに違いありません。実際に、私達(親)はそのように思われていたように感じます。数ヶ月に1回とはいえ、我が子が泣き出すと私達(親)は本当に辛くて、このような事は、今の私達(親)にとってトラウマとなっています。


中学生になってからは、そのような事が少なくなり、ホっとしていたのです。しかし、宿題の見直しを開始したとたんに、また、それが始まってしました。

その時、私達(親)は、もう同じことを繰り返したくないと思いました。また、同じ事を繰り返さないためには、「パニックのように泣き叫ぶ」という行動の理由を知らなければならないと思いました。この時に、我が子の個性を「発達障碍/学習障碍」という概念に当て嵌めてみると、「パニックのように泣き叫ぶ」という行動がすんなりと腑に落ちたのです。

実際に、我が子が「発達障碍/学習障碍」であるか否かは私達(親)には判りません。ただ、我が子の個性を「発達障碍/学習障碍」という概念に当て嵌めて考えると、「単純な間違いをすること」、「指摘を受けても改善できないこと」などが、本人(我が子)のやる気の無さや努力不足に起因するものではなく、本人が一生懸命努力した結果であるということが確信できました。また、それを確信したことで、私達(親)は、我が子に対してより寛容に接することができるようになりました。そして、私達(親)が積極的なサポートをすることで我が子の努力が少しでも報われるのであれば、そのサポートを惜しまないようにしたいと思えました。